FM-7(FUJITSU MICRO 7)のお部屋




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西村 健 さんの FM-7 への思い入れ(投稿ありがとうございましたm(__)m)

FM-8 の好調に気を良くした富士通が、その後継機として出してきたのが、この FM-7 です。定価は20万円を大幅に下回る14万8千円だったと思います。
FM-8 との違いはいろいろあるのですが、まず一番大きな違いは、何と言っても CPU の処理速度が2倍になっていたことでしょう。明らかに体感速度が倍になっていて、それまで FM-8 で動かしていて、かったるく感じていたソフトがサクサク動くようになりました。これだけで FM-8 から買い替えたユーザーも多かったのではないでしょうか。

次に大きなところではバブルメモリの廃止があると思います。バブルメモリは、FM-8 の時に華々しく登場した、富士通イチオシの次世代の外部記憶装置でした。しかし、エラーが多く、歩留まりが悪いため値段も下がらず、大容量化も進まなくて、さすがの富士通も、このころにはバブルメモリの普及はあきらめてしまったみたいです。

あと、ジョイスティックポートも削除されていたのですが、のちのち考えてみれば、いくらコスト削減のためとはいえ、この変更は大失敗だったと思います。なぜかというと、FM-7 にはリアルタイムキースキャンができないという FM-8 から引き継いだ大きな欠点があったおかげで、アクションゲームに不向きだったからです。ジョイスティックポートさえ残っていれば、FM-7 のアクションゲームも、もう少し良い評判が得られたと思います。

また、FM-7 には、PC-8801 で評判になったパレット機能が追加されました。これは色コードに対して表示色を自由に付け替える事ができるという、今では当り前なのですが、この当時は画期的な機能でした。FM-7 では画面処理はサブ CPU の領域で処理されるのですが、パレットの制御はメイン CPU が担当していました。そのため、マルチ CPU 動作を生かしてPAINT 命令で画面の塗りつぶしをしている最中でも、その塗りつぶしをしている色を変更することができました。それまで PC 派からは「CPU を2つ積んでいても、どちらか片方は必ず止まっていて、同時動作なんかしないんだ」などというカゲぐちを叩かれていましたが、それを見事に晴らす事ができたわけです。

ところで、FM-7 にYAMAHA のプログラム・サウンド・ジェネレーター(PSG)が搭載された事を知って、FM-7 はホビーユース指向になったなあ、と私は感じました。なぜか当時は、ビジネスで使用される機種には、サウンドに力を入れてはいけない、みたいな風潮があったように思います。PCー9801 も、ゲームなどに使われる事も多かったのに、PSG は付いていませんでした。たしか、FM-7 とほぼ同じぐらいに発表された(と思う) FM-11 にも、ハイエンド機種なのに、PSG は無かったと思います。今ならビジネス用途のマシンでも、サウンドブラスター(互換)搭載なんて、普通ですよね。当時はなぜああだったんでしょう?
不思議です。

最後に、地味な機能なのですが、私にとって FM-8 から追加されて嬉しかったのは、BASIC ROM の切り離し機能です。もっとも、FM-8 でも ROM の切り離しはできたのですが、後ろのディップスイッチを切替えて、電源を入れ直す必要がありました。そのため BASIC ROM と重なる部分の RAM は、FLEX などの DOS を使用しているときにしか使えなかったのです。それが FM-7 ではソフトウェアで動的に切替えることができるようになりました。アセンブラでプログラムができれば、自由に使えるメモリが 32KByte 追加されたようなものです。

しかもこの領域は、ROM を切り離さなくても、書き込みを行う事ができました。つまり、同じアドレスでも、読む時は ROM の内容で、書くときは ROM を素通りして裏 RAM に書かれるのです。おかげで同じ領域を読み書きするだけで、BASIC を RAM へコピーする事ができ、その後で、ROM を切り離しても、引続き BASIC が使えました。そうすると RAM にコピーされた BASIC なので、その一部分を書き換えたりして、機能追加をして遊べたわけです。なかなか楽しい機能でした。

FM-7 は、その後さらに値段を下げ、FM NEW-7 となりました。また機能追加された FM-77 や表示色を拡張した FM-77 AV などの後継機も出たのですが、もひとつパッとせず、その後の FM TOWNS の失敗で、富士通の栄光は途切れてしまうのでした。


長谷 さんの FM-7 への思い入れ(投稿ありがとうございましたm(__)m)

当時の他社の8ビット機と比べて特徴的なのが、MPUとしてFM-8から受け継がれた形で6809をメインとサブで2つ搭載していたことでしょう。FM-8の時から画期的でしたが、日立のレベル3〜S1系がイマイチぱっとしなくなってからは事実上唯一の6809でした。
 まぁ昔からの不毛な話題として「Z80と6809とどっちがいいか」というのがありますが、当時の私の意見としてはやっぱり「6809が上」でした。理由を問われても今となっては「FM系が好きだったから」としか答えられませんが。結果的には今でも残ってるのはZ80の方ですね。

2つの頭を持ち、サブ側が主にビデオ周りを受け持つことでマルチタスクまがいのことが可能でした。西村さんが書かれていたように、処理の重いペイント処理なんかはメイン側からコマンドを送ってやれば後はサブが勝手にやって、その間にメイン側では別の処理ができます。みんなが知っている"YAMAUCHI"コマンドを使えばサブ側にプログラムを送ってそちら側で独自に動作させることも可能です。このコマンドが知れ渡ってから、ゲーム等の画像処理が早くなった記憶があります。ただし、メインとサブがやり取りしている間は相手側にHALTがかかるので止まってしまうという問題もあり、共有エリアも128バイトと小さかったので一度にはあまり大量のデータを送れず、頻繁にアクセスするとパフォーマンスが落ちます。ま、その辺でプログラマの腕が試されるので楽しくもありました。

また、6809の強力な命令群にPC相対アドレッシングモードというものがあって、文章では説明しにくいんですが、作成したアセンブルコード(マシン語)を1バイト単位で任意の位置に配置できるというものです。例えば$6000からのプログラムを書いても他のプログラムとの関係で$3800とかに置いても実行可能です。(「リロケータブル:Relocatable」って呼んでましたっけ)

Z80がメモリ空間とは別にI/Oポートを持っているのに対して、6809はメモリ空間の一部を使っていました。いわゆる「メモリマップドI/O」ってやつです。I/Oの為の特別な命令はなく、通常のメモリ空間と同様にアクセスします。メリットとしては ウェイトが入らないことだと思いますが、デメリットとしてはやはりメインメモリがその分少なくなるということと、ハード的には16bitをデコードしなければいけない分、アドレスセレクトの回路が少し複雑になることでしょうか。それでもI/Oアドレス範囲を固定すれば($FD00からとか)上位何bitかは簡潔にできます。Z80とどっちがいいかは優劣つけがたいです。確かX1なんかではZ80は正式には32KBしか使えないのですが、裏命令で64KBを使ってVRAMにアクセスしていたような記憶があります(この辺はあやふやです)

BIOSがちゃんと整備されていたのも特徴です。MS-DOSでいうシステムコール、Windowsで言えばAPI(ってそんな大袈裟なものじゃないですが)のようなもので、一定の書式にしたがってコマンド/パラメータを渡してやれば、キーボードや文字の入出力、図形の描画が可能で、マニュアルにすべて公開してありました。しかし、実際の処理はBASIC ROMの内部ルーチンを使っているので処理速度の向上は望めませんでしたが、アセンブラレベルでは複雑になってしまう処理を簡潔に書けるので使い方を選べば便利です。

ちなみに前述の"YAMAUCHI"コマンドもれっきとしたBIOSのコマンドでちゃんとマニュアルに書いてあるんですが"YAMAUCHI"とは書いてなくてASCIIコードで"4941...."とあるだけで、何も知らなければ何の為に使うコマンドか判りませんでした。確かにそう思って読むとすごいコマンドでした。(どの機種かは忘れましたが最終的には"YAMAUCHI"じゃなくて任意の8バイト でもOKになってたと思います。ここになんか変な文字を入れたプログラムが 掲載された雑誌で「新コマンドか!?」なんて話題になったこともあったような)

初代FM-7からFM-77AVが出るまで当時としては結構長かったんですがそのあいだ、ハード的な小変更はあってもBASICは一貫してF-BASIC V3.0でした。リビジョン(富士通はレベルと呼んでる)はAV以前だとL20までだったと思います。いつからこのレベルになったかは思い出せないんですが、レベルアップサービスが充実していたこともあり、基本的にはほとんどの期間がこのレベルです。FM-77L4(640x400ドット)なんかでは400ライン用に別のBASIC(V3.5)が用意され、原則的にはV3.0ではどの機種も完全互換でした。ちなみにこの後FM-77AV系が出ても最後まで8bit系ではV3.0レベルでの完全互換は継承し続けました。この辺はちょっと偉い。

当時PC系では88SR/FRあたりで大きな機種格差が生じていて、旧機種(mk2以前)対応があっという間にほとんどなくなったのに対して、FM7系では初代AVが出てもまだFM7系ソフトが発売されて、EXが出たあたりになってやっとそちらにシフトしていくまで持ちこたえました。(ま、その頃にはそれだけFM系のパワーが落ちていたとも言えますが)このライフサイクルの長さがメリットでもあり、最終的にはこれがアダとなったとも言えます。

つまり、過去の資源を全て引き継ぐことが出来た反面、進歩が激しいPCの世界で新機能を追加できないという致命的な問題を抱えていました。特にこの時期は加速度的に進歩していった時期ですから。FM-77AVを出した時にはもうすでに遅し。そのあと考え直したか、いろいろ追加していきましたが、今度は急激すぎて敬遠されたような気もします。実際私もこのころには離れていって、AV系のモデルの詳細はよく覚えていません。FM-7からFM-77AVが出るまでの間がFM系の黄金時代ですね。あーあの頃はよかった(^^; それと同じようなことがPC9801系の末路に思い重ねることができるような気もします。


hybrid-N. さんの FM-7 への思い入れ(投稿ありがとうございましたm(__)m)

私が初めて自分のお金で買ったパソコン(私はこの言葉が嫌いで、必ず“マイコン”と称していましたが、)がFM−7です。価格はリストプライスで\126,000、カラーディスプレイと合わせても20万そこそこで買えましたので、学生にとって手の出しやすいマシンでした。マイコンには、プログラム電卓を経て、i8085から入ったのですが、6809の評判に引かれて、またアンチ主流のヘソ曲がり根性が災い?して、6809のアイドル的存在だったFM−7を購入した憶えがあります。

FM−7は一口に言えばFM−8の廉価版でしたが、特に構造面ではすばらしいと思いました。たった2本のネジと筐体の組み合わせだけで固定されており、トップカバーを手でぽこっと外すとすぐにカードコネクタが見えていて、フラットケーブルをそこから引き出すことができました。おかげでトップカバーの出っ張りがなにやらデコッパチを連想させるコミカルなイメージがあったのと、カバーのカラーリングはなんとも冴えない黄色(私は茹で過ぎた卵の黄身色と呼んでいましたが)だったのはいただけませんでしたが。

FM系の回路設計の特徴は、よく知られているように、CPUのメモリ空間に比して広大なグラフィックRAMをもう一つの同じ6809に持たせて全体の処理負荷分散を図ろうとしたことで、専用の画像処理チップに適当なものがなく、その開発にリソースをかけていられなかった当時の事情を考えれば、これはこれでそれなりにリーズナブルな設計思想だったと思います。
おそらく富士通の設計者たちは、最初ホビーユースマシンに対する認識が薄く(当時はトップメインフレーマーですから仕方ありませんが)、些細なところで小回りの利く設計にすることに意識が向かなかった、あるいは意識的に避けたのではないかと思います。いわゆるリアルタイムキースキャンなどはその典型例と云えるでしょう。FM−8/7系の強化は、殆どがサブCPU回りに絡んだものになっていて、そのあたりのコンプレックスというか、カルチャーギャップに悩まされたことが伺えて、興味深いところです。

FM−7の位置付けは、当時のNECのマシンと比較すると良くわかるのですが、
 FM−8  ⇔ PC−8001 → 最初なのでとりあえず全方位対応
 FM−7  ⇔ PC−6001 → ホビー/ホームユース指向に分化
 FM−11 ⇔ PC−8801 → ビジネスユース指向に分化
という具合にPC-6001対抗と考えられます。当時はホビー向けの象徴だったPSG(これはGI社のものだったと思いますが、のちにYAMAHAがFM音源チップのOPN(YM-2203)などに相当する機能をSSGという呼称で取り込みました。)を搭載して、パピコンのシンセサイザ機能に対抗していたことからも見て取れます。
ところが皮肉なことに、ライバルとの差をつけすぎたためか、その狙いとは裏腹に、本来なら11が受けて立つはずの88と対決することになってしまったように思います。(当時、この話を友人に披露したところ、そんなバカな、と一蹴されてしまいましたが。。しくしく)

FM−7は最初から6809を使いたくて買ったこともあり、BASICもそこそこにマシン語に取り組んだ憶えがあります。お金が溜まるやFDDとプリンタを買い足し、お絵描きプログラムや各種ユーティリティをこしらえることにいそしみました。私はプログラム電卓から入って、すぐに8085のワンボードマイコンに触れたたこともあってインタプリタ言語やコンパイラ言語には興味がなく、マシン語でハード性能の限界を引き出すといったオタッキィな遊びのほうに面白さを感じていたのです。

FM−7にまつわる思い出はたくさんあるのですが、ここでは既に投稿された内容について、思いだしたことを補足の意味でコメントすることにします。

・CPUの高速化
FM−8からのCPUの高速化は、メイン:1.6M⇒2M、サブ:1M⇒2Mだったと思いますが、グラフ処理の多い場合は2倍近くに性能が上がって見えました。
7は8と同じくCPUクロックがCRTCとは同期を取らない設計でしたので、VRAMへの書き込みはCRTCに制限されて遅くなってしまうのですが、8や88がさらに遅かった分、好評をもって迎えられました。この後はCPUの高速化はなされず、11で採用されたサイクルスチル(CRTCとクロック同期を取る設計)が77シリーズに適用されて高速化を担うようになります。(7×11=77なんだな、と勝手に解釈していましたが。)

・磁気バブルメモリ
FM−8で華々しく登場し、FM−7ではあっさり切られたバブルメモリは、遅い磁気ディスク(FD),高価なシリコンメモリ(DRAM)に代わる次世代の記憶デバイスとして当時はけっこう期待されているところもありました。FM−8の特徴のように言われていますが、あまり知られていないところでシステムズフォーミレートのBUBCOM8にも採用されています。
マイコンスカイラブには、FDとの速度差をアピールするデモが展示されていましたが、いかんせん価格がアンリーズナブルで、メディアも標準化されなかったため、殆ど参考出品の世界でした。バブルカセットはコイルとフェライトの塊ですから、頑丈なことは確かでしょうが、持ってみると結構重いものでした。5インチのFDを30枚持っても、それほど苦痛ではありませんが、バブルカセット300個はとても持ち運べるものではありません。
研究の世界では、ブロッホラインメモリというさらに密度を上げられる磁気記憶方式が注目されていたのですが、結局は全てハードディスクとフラッシュメモリに取って代わられたように思います。(そういえば超伝導を使うジョセフソン素子というのもありましたね。こちらは実用になる前に消えましたが。)

・ジョイスティック
私もFM−7を買うときに真っ先に気になったところなのですが、なぜかというと、AppleUのダーツゲームを見て、アナログコントローラに憧れていたからなのです。じつはFM−7のBIOSにはアナログポート(A/Dコンバータ制御)コードがちゃんと残っていて、ハードを追加しさえすればちゃんと動きました。(ちなみにFM−7のBIOSにはなぜかバブルメモリのサポートルーチンも残っています。)事実、スピタル産業などからは7用のアナログジョイスティックが発売されていて、僅かながらサポートするゲームもあったのです。残念ながら純正オプションでは発売されず、サポートソフトも増えることはありませんでした。
富士通としては、外部制御用インタフェースとしてアナログポートをサポートしたものと思いますが、A/Dコンバータというのはコネクタまで合わせるとそれなりに高額なデバイスで、利用シーンが限られていることから真っ先に削減対象になったのではないかと思われます。
単なるスイッチボックスでよいゲーム用のジョイスティックポートはFM−77用FM音源カードでようやくサポートされたと記憶しています。ただ当時はゲーム用のオプションにお金をかける人は少なく、操作はキーで行うことが前提でしたので、ジョイスティック込みで標準装備でもしなければ、いずれにせよ普及することは無かったでしょう。

・キーボードスキャン
キーボードは単なる低速I/Oマトリクスですから、これを専用CPUに任せるとというのは、システム設計上リーズナブルと云えます。事実、X1やIBM−PC、98でも専用の8bitCPUに受け持たせています。
NECが88でも8001の踏襲でキーマトリクスをメインCPUのI/Oにアサインしていたのに対し、富士通はFM−8でKB専用CPUを採用していましたから、ハード設計に対するセンスは悪くなかったと思います。
FM−8/7の敗因は、リアルタイムキースキャンの重要性を認識していなかった点で、これはハード構成というよりも設計思想上の問題です。
BREAKキーはキーマトリクス上ではなく、FIRQラインおよび独立したI/Oポートにアサインされていたため、FIRQをマスクすることによりポーリングすることができました。(CPUとしては押されたタイミングではなく離されたタイミングが知りたいため、エッジトリガ割り込みで押されたタイミングしかわからないFIRQはマスクするのが普通でした。)
リアルタイムキースキャンは、FM−77で採用されることが期待されたのですが、結局FM77AVで初めて採用されました。私自身、77AVの添付デモを開発する際に、リアルタイムキースキャンがサポートされたことをアピールする裏プログラム(店員モード)を最初に作った憶えがあります。

・“YAMAUCHI”コマンド
一種のプログラム転送コマンドなのですが、最初は使い方が良くわからず、I/O誌などに掲載されたプログラムを読んで勉強した憶えがあります。BIOSコマンドではなくディスプレイサブシステムのコマンドで、正式にはTESTコマンドといってサブシステムのメインテナンスを想定した非常用機能です。
TESTコマンドには、転送したプログラムに制御を渡してしまうという大胆な機能もサポートされており、この機能を使えば、サブCPUだけでゲームを実行するなどといった芸当も可能でした。
だいたいシステムの設計というのはあとから何が起こるかわからないので、こうした裏口を設けておくものですが、パソコンの世界というのはベンダがよほどしっかりサポートしないと、全てがあばかれてオープンになってしまいます。これはその典型とも云えますね。
最後は富士通自身が有用性を認めて自ら説明するようになりましたが、開発者のインタビュー記事によれば、YAMAUCHIというのは、非常用ゆえの暗証コードで、暗証コードはだいたい8バイトだったので、何かないかと考えたところ、たまたま自分の名前が8バイトになるので使ってしまった、本当はシグニチャをシステムに入れることは良くないので、“ヤマウチ”ではなくあくまで8バイトの暗証コード、このあと後輩の技術者が自分の名前を入れたがるのを抑えるのに苦労している、などといったことが書かれていたと記憶しています。ちなみにサブシステムで暗証を行っているのは8だけで、その他のマシンでは暗証はしていません。

・VRAM
FM−8/7のVRAMは、いわゆるグラフィックVRAMのみで構成され、テキストVRAMを持たなかったため、テキスト表示が遅い、面倒、テキストがグラフィックを壊す、などと批判されました。考えてみれば、グラフィックVRAMだけの構成というのは、先進的とも言えるのですが、ハード性能に比べてバランスの悪い、中途半端なつくりが災いしたと思います。
サブシステムが管理する内部テキストRAMも独特の作りになっていて、フルスクリーンエディタという便利な機能をサポートしてくれたのですが、一方でユーザがその動作を理解しにくいものになっていたと思います。
FM−8/7のVRAMがサブCPUのメモリ空間に配されていたのに対し、X1のVRAMは、たしかZ−80の64KBI/Oアドレス空間にマッピングされていたと思います。さらにVRAMアドレス空間のすきまにPCG定義用のレジスタを設けていたとも記憶しています。Z−80のアドレス空間はメモリ、I/Oとも64KBですが、当時のVRAMは48KBもありましたので、これはうまいアイディアと云えるでしょう。6809はそうしたI/Oアドレス空間がないので、なんとなく悔しい思いをした憶えがあります。
ちなみに88ではメモリ空間の64KBの後半16KBに、バンク切り替えで3枚(いわゆる三段重ね)のVRAMを貼り付けていましたので、SRになってワンタイムアクセスができるようになるまでは、オーバーヘッドのかたまりになっていて、88の処理速度の遅さの象徴でした。グラフィック処理がシステムスループットのネックになる点が今も昔も変わらないというのは、面白いところだと思います。



FM-7(FUJITSU MICRO 7)マシンスペック

正式名称 FUJITSU MICRO 7 (略称FM-7)
発売日 1982年?月?日
定価 126000円
CPU メイン MBL68B09(MC68B09相当品)
クロック周波数8MHz(4.9MHz動作可能)
Z80A(オプション Z80カード 4MHz)
サブ MBL68B09
クロック周波数8MHz(4MHz動作可能)
キーボードインタフェース MB88401
クロック周波数4MHz
メモリ メインブロック メインメモリ(プログラムエリア) 64KB(RAM) MB8265×8
BASICインタプリタプログラム 32KB(ROM) MB83256×1
ブートローダ 2KB(ROM) MB85146×1
サブブロック VRAM 48KB(RAM) MB8116×24
CRTモニタ 8KB(ROM) MB8364×1
キャラクタジェネレータ 2KB(ROM) MBM2732A×1/2(半分のみ使用)
コンソール処理用メモリ 4KB(RAM) MB8128×2
共有メモリ・ワークメモリ 1KB(RAM) MB8128×1/2(半分のみ使用)
補助記憶装置 オーディオカセットテープレコーダ
インタフェース標準実装
FMデータレコーダ(MB27501)他
ミニフロッピーディスク
オプション:インタフェースカード
ミニフロッピーディスクユニット(MB27601)
薄型ミニフロッピーディスクユニット(MB27607)
Sタイプミニフロッピーディスクユニット(MB27605)他
CRT表示能力 CRT出力インタフェース カラーCRT RGB同期信号分離出力方式(TTLレベル)
クリーンCRT コンポジットビデオ信号出力
家庭用テレビ(カラー、モノクロ) NTSC方式
 *家庭用カラーテレビアダプタ(MB22602)が必要
キャラクタ表示 80桁x25行(2000文字)
80桁x20行(1600文字)
40桁x25行(1000文字)
40桁x20行(800文字)
*いずれかをソフトにて選択可能
グラフィック表示 640x200dot
各ドットごとに色指定可能。パレット機能、マルチページ機能あり
文字構成 8x8ドットマトリクスによる文字パターン
英数字・特殊記号 69種
カタカナ・句読点 63種
グラフィックパターン 62種
カラー表示色 8色(青・赤・緑・マゼンダ・シアン・黄・白・黒)
日本語表示・印字機能 媒体 256KビットマスクROMを4個使用
JIS第1水準漢字キャラクタジェネレータ(MB83256-019〜022)を使用
文字構成 16x16dot
文字種 漢字 2965種(JIS第1水準)
非漢字 453種(特殊文字・英数字他)
CRT表示 40桁x12行(最大)
*ソフトにより表示位置を自由に指定できる
印字出力 対応ソフトウェアによって可能
入力方法 JIS漢字コード使用
*日本語入出力ライブラリを使用することによって、ローマ字−漢字変換入力可能
キーボード キー配列 JIS配列を基準とし、PFキー、エディットキー等を追加
キーの総数 98種
キーの読み取り 4ビットワンチップマイクロコンピュータ(MB88401)によるソフトウェアスキャン方式
Nキーロールオーバー方式採用
リピート機能 同一キーの押下状態にて連続入力、リピート機能の解除も可能
状態表示機能 英大文字(CAPS)、カナ、挿入(INS)の各モード時にLED点灯
本体内インタフェース CRTインタフェース
(カラー・クリーン共標準実装)
640x200dotグラフィック表示
8色カラー表示 または 8レベルグレースケール表示
2000文字(80桁x25行)表示
オーディオカセットインタフェース 転送速度 1600BPS(平均)
リモートコントロール機能有り
プリンタインタフェース(標準実装) 転送方式 8ビットパラレル(TTLレベル) セントロニクス社仕様準拠
文字コード JISコード準拠
RS-232Cインタフェース(オプション) 規格 EIA RS-232C準拠
転送速度 300,600,1200,2400,4800,9600,BPS(スイッチ切替)
ミニフロッピーディスクインタフェース(オプション) ミニフロッピーディスクユニット(MB27601)
薄型ミニフロッピーディスクユニット(MB27607)
Sタイプミニフロッピーディスクユニット(MB27605)等
接続用インタフェース
ブートローダ ブートROMプログラム(480バイト)をシステム媒体に応じてスイッチ切り替え可能(最大4通り)
1) F-BASIC(ROMモード/ディスクモード)
2) DOS(ミニフロッピーディスク)
の2つが現在割り当てられている。(残りはリザーブ)
ブザー機能 ソフトウェアによりON/OFF制御可能
音量調節、外部スピーカ使用可能
寸法 430(W)×287(D)×100(H)mm
サウンド機能 専用IC採用により三音和音までの合成が可能
音量調節、外部スピーカ使用可能
電源 電圧 AC100V
周波数 50/60Hz
消費電力 25VA以下
使用条件 温度 0〜35℃
湿度 20〜80%(ただし結露しないこと)
寸法 430(W)×287(D)×100(H)mm
重量 約4.5kg


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